抗がん剤と違い放射線治療は、週5日連続の通院治療。
抗がん剤と放射線の副作用でどんどん体力が落ちてゆく夫と
満員電車に20分ほど乗って通院していた。
治療着に着替え、順番を待ち5分ほどの照射で終了。
治療自体に痛みはないし、時間も短いが毎日の通院はさすがに夫には負担だった。
少しでも副作用軽減になればと【高濃度ビタミンC点滴】治療にも
通ったが、抗がん剤の影響が徐々に出始め、
血管が細くもろくなり、点滴路が確保できなくなってしまい断念した。
補水液などと違い皮下に漏れると激痛を伴う。
何度も皮下に漏れ、悶絶する夫。
諦めるしかなかった。
照射回数が増えるごとに、喉の皮膚表面が黒く固くなっていき
当然、咽頭(内部)も腫れてくる。
腫れと痛みで食事がとれなくなっていった。
放射線を毎日同じ個所に照射しているのだから当然だった。
ちょうどこの頃、私はアーユルヴェーダの師に出会えた
『師』などと表現したことはないが、彼女を何か言葉で表すとしたら
私にとってはとても大切な恩師である。
スリランカ在住の彼女の指導の下、私は夫にオイルマッサージや投薬を始めた。
夫の状態に合わせてスリランカから空輸で届くオイルやお茶や丸薬だ。
若い頃からその存在(アーユルヴェーダ)は知っていて、
気持ちよさそうな治療だなと思っていた。
直接ZOOMで話をさせてもらい、私は迷いなく夫にこの治療を施したいと思った。
夫が今受けている放射線や抗がん剤治療が良くないものだという確信に似た意識が
とても強かった私にとって【解毒】してくれるこの治療がどうしてもしたかった。
癌を小さくしたい、けれど、ほかのダメージを出来るだけ軽減したい
それが一番の望みだった
そして解毒するのだから、アーユルヴェーダ治療にも癌を亡くす力がある
白湯やそのほかの水分の摂り方、食事、生活、すべてにおいてアドバイスをしてくれた。
ストレスや不安、恐怖感などのない状態こそ最高に免疫力を高めるのだと教えてくれた。
いまでも、彼女のアドバイスに私はいつも救われる。
夫の状態をつぶさに報告し、アドバイスを求めると
アーユルヴェーダドクターと相談し、指示を受けたことを伝えてくれるが、
それ以上に、彼女の言葉一つ一つが波立つ私の心を静めてくれるのだ。
放射線にも抗がん剤にも期待はしていなったが、
このアーユルヴェーダ治療を続けることで夫の癌は小さくなっていく。
そう信じることができた。
そういう想いは、私を強くしてくれるし、不安や恐怖を感じないでいられた。
解毒しているのだから、絶対に効果が出てくると信じていた。
大学病院の放射線科の医師と看護師さんはみな温かい人たちだったのも
大きな救いだった。
毎日顔を合わすので、プライベートな事も話すようになったり、
とてもフランクに人として対等に相対してくれた。
先生もとても物腰柔らかな方で、こちらの質問にも丁寧に答えてくれる医師だった。
放射線治療が始まって2月ほどたった頃、
放射線科の医師が、CT画像を見せてくれながら言った。
こんなに急速にこれだけ腫瘍が小さくなるのは僕もあまり見たことがありません
嬉しかった。
主治医とは違い、きちんとサイズも画面上で図り、
どれだけ小さくなっているか、私たちにもわかるように教えてくれた。
抗がん剤と放射線治療の成果でもあると思う。
けれど、毎日の生活の中で改善してきたこと、取り入れてきたことが実を結んだのだと思った。
がんばろう。
毎日の胃婁食の手作りはとても時間が掛ったし、
決まった時間の丸薬(アーユルヴェーダ)の投与も喉から飲めないので
すり鉢で粉にしてお湯で溶かなければならなかった。
全身のオイルマッサージには1時間くらいかかってしまう。
水分を多めに摂るため、解毒作用のあるお茶や、重曹クエン酸水を
水素水で作るなど、手間のかかるものであるため、
元々やせ型だった私の身体は10キロ体重が落ちていた。
けれど、夫の癌が発覚してから今日まで風邪一つ引かずにやってこれた。
これからも頑張れる。
私が出来る限りを尽くすことで夫の命を救うことができるのならなんでもする。
久しぶりの嬉しい状況に私はとても興奮していた。
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